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HDR合成写真の作り方

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私が5年かけて編み出したHDRIの作り方です。全てさらけ出していますので参考までに。
まずはブラケット撮影した画像を用意しましょう。
この写真はPENTAX K-5でブラケットしたEV値±2の5枚です。
左より、-2,-1,±0,+1,+2です。

HDR合成写真の作り方_c0214542_011431.jpg

パラメータは上記の通りです。
HDR合成をやりたての時は、Smooth HighlightsとMicro-Somoothingの値を下げて、
コテコテなHDRIにやりがちなんですが、Smooth HighlightsとMicro-Somoothingの値をMAXにします。
これでより自然なHDRIに仕上がります。
このSmooth HighlightsとMicro-Somoothingの値を上げる理由は「室内におけるHDR合成の有効性」に
まとめています。続いて見て頂ければと思います。

HDR合成写真の作り方_c0214542_064376.jpg

さてもう一つ大事なパラメータですが、「Lightning Adjustments」です。
私はNatural+とMediumの2つを作成し比較明合成とかするのですが、理由を下記にまとめてみます。

■Natural+
いいところ
・暗部がより自然な感じに仕上がる。
悪いところ
・高レンジの部分がつぶれる。

■Medium
いいところ
・明るい部分がより自然な感じに仕上がる。
悪いところ
・空がハレーションを起こす。
・暗部を持ち上げるので、ホワイトバランスが崩れ絵が青くなる。

用はphotomatixでHDR合成をしたものを、更に手動でHDR合成するのです。

HDR合成写真の作り方_c0214542_0124874.jpg

photomatixのバージョンが4.2くらいだったでしょうか . . . このとき辺りからトーンマッピングした後に
「finishing touchという」項目があります。
これがすごい使えるんです。今まではtopaz adjustなどでシャープネスさを増しておりましたが。
これがあることによってシャープネスはphotomatixで事足りてしまいます。

HDR合成写真の作り方_c0214542_0134314.jpg

sharpeningのパラメータは手動でも出来ますし、デフォルトで3種類あります。
上の2つの拡大写真で比較してみると、Mild Sharpening(デフォルトに近い)とStorong Sharpeningでは
かなしの差があります。もちろんStorongで最終トーンマッピングをします。


■ここからPhotoshopでのレタッチです。
HDR合成写真の作り方_c0214542_064376.jpg

さあ先程までの説明はすべてphotomatixでのパラメータの説明にすぎません。
ここからはPhotoshopでのレタッチとなります。

「Lightning Adjustments」の説明で、Natural+とMediumの2つを作成し比較明合成などをするといいましたが、
それらの具体的な方法をご説明します。用はNatural+とMediumの良い部分を合成していけば良いのです. . .
と、いきなりやりなげ(笑)
HDR合成写真の作り方_c0214542_0143328.jpg

マスクをかけて説明しますと、Natural+の写真は暗部が綺麗にトーンマッピングができていますし、
空もハレーションを起こしていません。ですが、ガンダムが黒く潰れ気味ですね . . .
ですのでNatural+の方は背景部分を使います。

逆にMediumの方は空にハレーションが起こり、影の辺りのホワイトバランスが崩れています。
ですが、ガンダムは綺麗にトーンマッピングできています。

よって、MediumのHDRIのガンダムを、Natural +のHDRIへ合成させるのです。
これが手動部分的比較明合成です。

HDR合成写真の作り方_c0214542_013633.jpg

[Medium]のガンダムを[Natural +]に合成したbefore → afterです。
ただ合成しただけでは違和感がまだ残っていますので、これからレイヤーワークで調整します。

HDR合成写真の作り方_c0214542_015526.jpg

完成型のレイヤーワークを見てみるとこんな感じです。
背景と言うレイヤーが[Natural +]、RX-78と言うレイヤーが[Medium]から切り取ったガンダムです。
では、まずは[Natural +]の背景のレタッチの説明から。

HDR合成写真の作り方_c0214542_015202.jpg

背景のレタッチは大きく分けて3つ。

・レベル補正
全体的に暗いのでレベルを上げます。

・トーンカーブ
いわゆるS字カーブを描きます。空の色が映え、レベル補正で持ち上がった影部をつぶします。

・彩度調整
空の色を調整します。

これで背景のレタッチは終了です。
これにより背景とガンダムの差がより一層広がってしまったので、続いてはガンダムのレタッチです。

HDR合成写真の作り方_c0214542_0153541.jpg

ガンダムのレタッチも似たようなものです。
まずはガンダムの彩度調整からです。

・彩度調整1
RX-78の基本カラーの青、黄、赤を調整して強調させます。

・彩度調整2
更に青、黄、赤を微調整していき、もう一つの基本カラーである白色を綺麗にさせます。
photomatixのトーンマッピングにより、若干ホワイトバランスが崩れて白が青みがかっているので
彩度調整で、ブルーとシアンを抑えます。

・トーンカーブ
S字を描きます。

・レベル補正
明るくなりすぎなのでレベルを下げます。

これらの作業により、レベル補正後の画像を見て頂ければわかるのですが、背景とガンダムの上部は
かなり自然な感じになじんできました。
しかし、まだ背景の画像とガンダムの下半身がかなり違和感ありますので、下半身のレタッチをします。

HDR合成写真の作り方_c0214542_022332.jpg

下半身のレタッチはガンダムにグラデーションマスクをかけて行います。
これにより部分的にレタッチを行うことが出来ます。

グラデーションマスクをかけた範囲に、グラデーションツールで黒に近いグレー色で影を作ります。
それを合成した後、レイヤー効果を焼き込みします。
これで背景の暗部の感じとガンダムの下半身に違和感が無くなりました。
その後、色味やら微調整して完成HDR合成写真です↓

RX-78

皆さんもクリアなHDR合成写真を目指しましょう。
by no_doiken_no_life | 2013-09-01 07:18 | HDRI 制作関連
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